旅順にて現世に思いを馳せるの巻き

大連観光メインの一。旅順へ行ってきました。

大連から車で一時間ほど。軍事施設があり、とっ捕まる可能性もあるため、外国人旅行者はむやみに動き回らない方が良いそうです。ガイド氏と車をチャーターして行ってみました。

203高地です。海抜203メートルに由来するそうです。
眼下に在るのが旅順港。
　

大連に限らずですが、中国のガイドは仕事とはいえ事情の細部までよく知ってます。ここで死んだのは乃木将軍の○男だとか、露軍は爆薬の量を間違えて自爆して日本軍の塹壕への突破を許した、とか。
おびただしい数の銃弾の痕が戦闘の凄まじさを物語っています。

ここら一帯の史跡が遺されているのは、列強（に日本も含まれるのがミソ）の跋扈した証を後世に伝えるため、のようです。そりゃそうでなきゃとっくに壊しますやね。


中国人の考え方としては、帝国主義者どもが権益めぐって自国にずかずか入り込んできて、勝手に戦争して人民や土地を荒らしやがって、ということのようです。
（個人的には、"日露戦争"は中国でやったんだなぁ、と今更気づいた程度の認識でした。。）
露軍の塹壕や地下道建設作業に従事させられた中国人は、秘密保持のためみな殺されたそうです。

むろん欧州各国への恨みもあるけども、やはりその後の日中戦争含め、日本へのものとは深さが違うとのこと。

むべなるかな。

しかし、旅順港を押さえるためとは言え、よくこんなところ攻め落としたなぁと何ともいえない想いがこみ上げます。
およそ4カ月と1万数千人の兵士の命を費やして、ようやく陥落させたとのこと。遮蔽物たる木もないから、守備側としてはやりたい放題だったろうなと容易に想像がつきます（当時は飛行機で上空から爆撃ぃ！なんてできません。なお露軍死者は数千人）。

なんだかヒフがむずむずしてくると云うか、痛みが（とても間接的に、微かにとは言え）感じられる、気がする。

しかし、世界大戦を経た現代は、白兵戦（中国語では、"白刃戦"or"肉搏戦"と云うそうです）の機会は激減して、核保有国同士のにらみ合いの下、気に食わない途上国の指導者は誘導ミサイルで暗殺できるような、大変に"便利な"時代なわけで、

有史以来、戦争らしい戦争のない（ない、と言い切ったら失礼ですが少なくとも先進国間にはないし、幸いにも痛みを実感する機会もない）非常に特殊な時代に生きているんだよなぁと。（或いは、「戦争」の定義は変わりつつあるのかも知れない。「対テロ戦争」ってたまに意味不明です）

とは言え、人間の持ってるエネルギーなりガスなり不満なり欲望なりの総量は不変にしてヒトの在り方は普遍、かつ世界人口は漸増、というオゾマシイ状況下にあるわけで、、


するってぇと、現代の「戦場」はどこで、敵は誰なんですかね？


ちなみに、卒業旅行の際に思ったのは、アメリカはほっとけば太りすぎで自滅するんじゃねぇか、ということです。
シカゴ郊外の肥満客しかいないビュッフェ・レストランでの衝撃は忘れがたいものがあります。ボストン・NYは颯爽とエリートが闊歩してましたが。

来る日に備えて腹筋。